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人気急増のレアメタル製の結婚指輪
結婚指輪と言えば金やプラチナが定番ですが、今、レアメタル製の結婚指輪をオーダーする人が増えています。
オーダーメイド指輪を製作・販売するTOKYO DIAMOND(東京・渋谷、運営:東京ダイヤモンド株式会社)では、レアメタルを使った指輪の注文が8年で15倍に増加しているそうです。
レアメタルとは、レアなメタル=希少な金属のことですね。
人気のレアメタルで作られる指輪も多種あって、原子炉や自動車の排ガス用触媒に使う「ジルコニウム」で作った指輪は、豊かな発色が特長です。
ハードディスクに使う「ルテニウム」で作った指輪は、プラチナよりも白い純白の輝きを放ちます。
他にもジェットエンジンのタービンブレードや航空宇宙用部品に使われる「レニウム」の指輪や高温超伝導として注目される「ニオブ」で作った指輪など。
これらは研究職の方や、中・高の化学の教員、大学時代に研究室でレアメタル材料を扱っていた人など特に理系男子・理系女子に人気だそうです。
人気の理由は?
そもそも東京ダイヤモンド社が結婚指輪にレアメタルを使用したのは、代表の廣瀬氏が、奥様が金属アレルギーに悩んでいることを聞いたことから。
そこで医療分野で人口骨や手術用縫合糸、人工心臓などの素材として用いられる生体適合性の高い『タンタル』というレアメタル素材に注目。
このタンタルを結婚指輪として加工する技術を開発されたのが始まりです。
その後、金属アレルギーに悩むカップルが多いことを知り、金属アレルギーの方も安心して着用できるレアメタル製の結婚指輪を製作したところ口コミで広まり年々顧客は増加。
なんと現在は納品まで4~5カ月待ちの状態です。
レアメタルとは?
レアメタルとはいったいどんな金属なのでしょう?
ちょっと調べてみますと、レアメタル=定義というのは国際的にも定まってないようです。
日本では一般的に、採掘することが困難で希少な鉱物で、その基準から31種類の鉱物をレアメタルと定義づけています。
以下が日本でレアメタルと呼ばれているものになります。
リチウム、ベリリウム、ホウ素、希土類、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、バラジウム、インジウム、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、白金、タリウム、ビスマス。
ただし、上記の中のパラジウムの使用は、アレルギー症状を起こすという症例が報告され、現在は自粛傾向にあります。
いずれも日本の現代産業を支える重要な資源の一つで、私たちの生活に欠かせないものとなっています。
ブライダルの市場動向と今後の展開
矢野経済研究所によると2015年のブライダルジュエリーの市場規模は1677億円。
1995年に比べて20年で6割減少しました。
少子高齢化により、今後も縮小が予想されます。
金属アレルギーが広く認知され、またパラジウムの安全性が問われ使用制限・自粛が進む中、ブライダルジュエリー市場の動向とは反対に、「金属アレルギーの原因にならない結婚指輪」の要望は増加し、レアメタルの結婚指輪の需要も、まだまだ伸びることが予想されます。