近年、AI(人工知能)の進化が著しく、その技術が様々な分野で活用されています。
結婚情報産業も例外ではなく、AIを用いた婚活事業が増えています。
これまでの婚活事業は、人の手によって相手を選んでいましたが、AIを利用することで、より効率的かつ精度の高いマッチングが可能になりつつあります。
では、AIを使った婚活事業の現状について詳しく見ていきましょう。
この記事のもくじ
AIを使った婚活事業の現状
現在の日本では、少子高齢化や婚外恋愛(※1)の増加、結婚という価値観の多様化など、さまざまな要因から結婚への意識が低下してきています。
その一方で、婚活市場は拡大の一途を辿っており、新たな手法としてAIを活用した婚活事業が注目されています。
AI婚活は、人工知能が学習したデータを基に、利用者の理想の相手を探し出すというもので、多くの結婚相談所やマッチングアプリが、このAI技術を導入し始めています。
結婚している人が、配偶者以外と恋愛をすることを「婚外恋愛(こんがいれんあい)」と言います。 既婚者が配偶者以外の人と恋愛することは、「浮気」や「不倫」として世間でもよく問題になりますが、言葉が違うだけで実態はほぼ同じです。
セカンドパートナーやプラトニック不倫などと呼ぶケースもありますが、「婚外恋愛」という言い方が生まれたのは、2002年1月から3月にかけてテレビ朝日系列の「木曜ドラマ」枠で放送されていたドラマで、永作博美さんが主演のセックスレスの夫婦を描いたラブコメディ『婚外恋愛』がきっかけのようです。
政府・自治体のAIを使った婚活への取り組みの概要と事例
日本政府は、国民生活の向上を図るため、AIを活用した婚活事業への取り組みを支援しています。
目的は、主に少子化対策で出生率向上による人口の増加、そしてその後の地域活性化や地域コミュニティの発展継続など、将来を見据えた取り組みになります。
例として、政府は「AI活用地域未来投資促進事業(※2)」という制度を通じて、AIを活用した婚活支援事業を推進しています。
これにより、自治体は新たな出会いの場を提供し、地域活性化につなげています。
例えば、神奈川県横浜市は「AI婚活」と題し、AIが選んだ最適な相手を見つける取り組みを行っています。
また、地方創生を目指す一部の自治体では、地元の民間企業と協力し、AI技術を活用した婚活サービスを展開しています。
マッチングアプリ業界のAIを使った婚活への取り組みの概要と事例
マッチングアプリ業界もAI婚活に大いに関心があり、多くの企業が独自のAI技術を開発し、趣味・価値観・ライフスタイル等のユーザー情報をもとに、AIが最適な相手を提案するシステムが開発されています。
AIがチャットの内容を分析し、相性の良い相手を提案するアプリや、プロフィール写真や趣味、職業などの情報をもとに、AIがリアルタイムでマッチング候補を提案するアプリも登場しています。
日本の大手マッチングアプリである「with」「Pairs」などは、AI技術を取り入れたマッチングシステムを搭載しており、利用者から高い評価を受けています。
AIを使った婚活の利用者メリットとデメリットは?
AI婚活のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 大量のプロフィール情報から、自分に適した相手を効率的に見つけることができる。
- 人間のコンシェルジュと比べて、恥ずかしさや偏見が少なくプライバシーが保たれる
- 自動でアプローチやメッセージ送信ができるため、手間がかからない
- 恋愛や結婚にまつわる様々なデータを解析し、より適切なアドバイスが受けられる。
一方で、デメリットも存在します。
- AIが選んだ相手に対して過度な期待を抱くことがある。
- AIが完全に正確な相性を見つけられるわけではない
- 相手を選ぶ基準が単一化される恐れがあるため、多様な出会いが減少する可能性がある。
- 個人情報の取り扱いに関する不安がある
- 人間とのコミュニケーションがなくなることで、相手の本音や人間性が分かりづらい
など、まだまだ改善点があるかと思われますが、格段に効率的な利用ができるようになったことで、出会い率も高くなり、時間も短縮できるのではないでしょうか。
AIを使った婚活事業の将来性
AI婚活は、今後さらに進化し、より多くの人々が満足できる結果を得られるようになるでしょう。
また、AI技術の発展により、個人の人間性や価値観により深くアプローチできるようになることが期待されます。
さらに、地域活性化や少子高齢化対策など、社会課題への貢献も期待できるでしょう。
ただし、デメリットを克服し、利用者の信頼を獲得するためにも、個人情報の適切な管理や利用者サポート体制の充実が求められます。
以上のように、AI婚活は今後ますます発展し、多くの人々にとって有益な手段となることが期待されています。