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婚活カップル成立率50%!見知らぬ男女が交換日記で出会う「結日記」
「恋に、想像力を!」をテーマに、2018年11月に始まった「結(ゆい)日記」。
少子高齢化や人口減などで危機感を持つ地方自治体による婚活支援の取組みとして、長野県茅野市が鎌倉の株式会社カヤックLivingと取り組んで始めました。
プラン内容はというと、茅野市の市内在住者と市外在住者を繋ぐ婚活キャンペーンとしてひじょうに斬新な試みです。
SNSを通じて簡単に情報をやり取りできるこの時代に、あえて手書きで綴る「交換日記」を使用して、想像力を刺激しカップルを誕生させようという企画です。
記念すべき第1回目は、20~30代を中心に総応募者数が237名、10組20名を茅野市在住者と市外在住者でマッチング。
そのうち8組が出会った結果、5組のカップルが誕生したのでした。
交換日記という、あえてアナログな試みは若い世代には新鮮だったのかもしれませんね。
現在は2回目が進行中だということで、すでに15組中、2組が出会うことになっているそうです。
結日記が好評なのを受けて3地域で同時開催へ
長野県茅野市では、第1回、第2回と好評なのを受けて婚活キャンペーン「結日記」の第3弾を初めて茅野市以外の、福島県西会津町・宮崎県椎葉村を含む3地域で同時開催するに至りました。
すでに11月5日(火)からスタートされていて茅野市はもちろん、西会津町、椎葉村でも順調な滑り出しをみせているようです。
3地域の募集要項です。11月22日(金)までですので、お早い目に!
応募条件:20歳以上の独身の男女で、企画に最後まで参加可能な方
応募締切:2019年11月22日(金)午後7時
応募方法:特設サイト(https://yuinikki.smout.jp/apply.html)の応募フォームからご応募ください
募集人数:長野県茅野市20名、福島県西会津町10名、宮崎県椎葉村2名
長野県茅野市はこんな街
新宿から特急スーパーあずさで約2時間。
八ヶ岳連峰、蓼科湖、白樺湖などの雄大な自然が広がり、四季折々の美しさが溢れる人口約5万5千人の街です。
約5000年前に縄文文化が栄えた街で市内からは数多くの集落遺跡や日本最古の国宝(土偶)「縄文のビーナス」が発掘されました。
また「御柱(おんばしら)祭」が行われる諏訪大社上社前宮などの歴史的な見どころも多い街です。
福島県西会津町はこんな町
福島県西会津町は、会津地方の西部にあり、新潟県に隣接している人口約6300人の町。
『一生に一度、なじょな願いもききなさる野沢の山の神様』として知られる大山祇神社が有名で、3年続けてお参りすればどんな願いも叶うと言われています。
かつて越後街道の宿場町として栄えた街並みや飯豊連峰を望むことができる風景、豊富な水量を誇る阿賀川など豊かな自然と文化が残る町です
また、アーティストインレジデンスや様々な企画展やワークショップの開催により地域活性の拠点となっている西会津国際芸術村をはじめ、クリエイティブな人材や移住者が集まり、先人が紡ぎ守ってきた歴史や伝統、技、生活の営み、豊かな自然など「ココニ アルモノ」を大切にしながら、新たな考え方や手法と融合させ「フルクテ アタラシイ」価値を創出している町です。
宮崎県椎葉村はこんな村
宮崎県椎葉村は、九州中央山地の真ん中、村としては九州最大の面積となる人口約2,600人の広くて小さな村です。
広大な敷地が10の地区に分かれ、点在して助け合いながら暮らしています。
各地に残る昔ながらの原風景から日本のブータンとも呼ばれ、三大秘境のひとつとされている村です。
最古の循環型農法の焼畑や狩猟、神様に舞いを捧げる夜神楽といった伝統文化を今も継承し、そのような文化的な暮らしかたが、世界農業遺産への登録や「日本で最も美しい村」連合への加盟につながっています。
鉄道も高速道路もないものの、最寄り空港から車で約2時間というアクセスはそれほど悪くなく、全戸光ファイバー完備と通信インフラも整備されています。
昔と今の良いところをうまく組み合わせ、秘境という環境も逆手にとりながらたくましく生きていく姿が、「生きる力」を求める都市部の人たちを中心に、注目を集めている町です。
結日記、出会いの仕組み
結日記を使ってどのように男女が出会っていくのでしょうか?
ちょっと仕組みを観てみます。
(1) まずは、市内在住者と市外在住者を募集し、プロフィールや希望に応じてマッチングされます。
(2)相手と会うまでは相手を特定できるような、本名、写真、SNSはいっさい開示NG。ニックネームや出身地、好きな映画など、全10ページの日記内でお互いに綴られる情報を頼りに人柄を知っていきます。
(3)オリジナルの日記帳は、お互いの顔を想像しながら似顔絵を描いたり、人生の折れ線グラフを書くなど、短期間で顔の見えない相手との距離を縮められるよう設計されています。
(4)「結日記」は郵送で市役所を仲介して交換されるので、会うその時まで、顔はもちろん、本名や住所などプライベートな情報は全くわかリません。
(5)「会いたい」と思ったら、会える日を栞に書いて日記に挟む、奥ゆかしい演出。各地域が用意するロマンチックな名所で、2人は初対面を迎えます。
結日記の総評
少子高齢化や人口減少など、特に地方の市町村では大きな問題になっていて、なんとかその中でも知恵を出し合って良策を練る地方行政はたいへんだと思います。
そんな中、メールやLINE、そして5Gが普及するというこの時代に、あえて交換日記というアナログ感を盛り込んだこの企画がヒットしているのは、心なごむ出来事にも思えます。
交換日記でお互いを知っていきながら想像の世界で夢を描いて、それが最終的に2人の出会いにつながる。
なんか、小説のようなノスタルジックささえ感じます。
「顔もわからないのに、日記を綴って期待感一杯で会うのはちょっと怖い」という人は多いと思いますが、こんな出会いの仕方もロマンを感じることができて良いのかも知れませんね。