まだまだ終焉が見えないコロナ禍にあって、婚活市場はオンラインの婚活サービスが全盛時代に入ってきました。
リクルートブライダル総研の2020年婚活実態調査では、約4に1人が婚活サービスを利用した経験があるという結果が出ていて、特に「マッチングアプリなどのオンライン系婚活サービス」の利用経験率が一層高まっているようです。
オンライン上で相手と知り合って最終的にお付き合いに至る過程は、従来の婚活に比べ気軽で時間もかからず、費用も軽減できることなど概ね好評で、コロナ禍の今ではすっかり定着した感があります。
そんなに利用価値が高いのなら、「もうオフラインは必要無くなるのでは?」と極端に考えがちですが、では、オンラインでの婚活は、実際のところはどうなのでしょうか?
そんな疑問を調べるべく、株式会社Parasol(本社:東京都港区)は、自社で運営する未婚男女のマーケティング研究機関『恋愛婚活ラボ』で、未婚男女270人(女性138人、男性132人)を対象にした実態調査を行いました。
その結果、コロナ禍でのオンライン婚活の実態が見えてきたようで、今回はその一部を紹介します。
この記事のもくじ
オンライン婚活の実態概要
調査の結果から、オンライン婚活の実態の一部が見え、少し想像と違った部分も多数見えてきました。
調査結果の概要は以下のようになりました。
男性は「振られヅカレ」女性は「アプローチされヅカレ」
婚活ヅカレが随所に・・・男女ともそれぞれオンライン婚活に「疲れ」を感じているようです。
メッセージのやり取りでは、
- 「男性はメッセージが届かない」
- 「女性はメッセージを受け取るのが苦痛に」
デートでは女性の半数が
- 「イメージした人じゃなかった」
- 「デートが苦痛」
オンラインの便利さを享受しながらも意外と「疲れ」がキーワードのように目立っているようです。
ではなぜ「疲れ」を感じているのでしょうか?
オンラインの「婚活ヅカレ」・男女で傾向がはっきりと分かれる
オンライン婚活の経験がある男女に「オンライン婚活での悩み」を調査したところ、
男性の悩みは
- 「理想の相手とマッチングしない(出会えない)」
- 「オンラインで出会ったお相手とのメッセージが続かない」
と回答した人がともに
「43.7%」
と最も多い結果になっています。
一方で女性は、
- 「メッセージを返信するのが面倒」
と回答した人が
「56.4%」
と、最も多い結果となりました。
男性の場合は概ね「振られる」という悩みが多く、女性の場合は相手に対して「満足しない」という悩みの傾向があるようです。
男性の場合、「55.5%」の男性が
- 「相手がメッセージに返事をしてくれなくなる」
と回答しており、約2人に1人の男性が
- 「メッセージが続かない」
ことに悩んでいます。
また男性は「52.6%」の人が
- 「メッセージ内容を考えるのが大変」
との回答が最も多くなっています。
女性の場合は、「50.3%」の人が
- 「メッセージは続くが、苦痛を感じる」
と回答しており、
- 「メッセージをやりとりすること自体」
に悩みを抱えているようです。
また、女性の「49.3%」が
- 「相手とのメッセージのやりとりが楽しくないから」
と回答しています。
「やりとりが楽しくない」というのは、男性にとって致命的ですね。
男性が多いオンライン婚活市場
オンライン婚活市場は男性の数の方が多く、女性は多くの男性からメッセージをもらう状況になります。
ということは男性側は、ありきたりなメッセージを女性に送ると埋もれてしまう可能性が高くなり、差別化したメッセージでないと女性を惹きつけることができません。
よって「メッセージの内容を考える」ことが苦痛になり男性の「婚活ヅカレ」の要因となっているようです。
一方、女性は、毎日複数の男性とメッセージのやり取りをする必要があるため、1つ1つのメッセージ内容を確認していくうちに、メッセージをじっくり読んだり楽しむ余裕がなくなってしまうのだそうです。
そうなると「メッセージすること自体」に疲れてしまうのでしょう。
婚活で異性とのデート・お見合いに対する気持ち
デートに関しても、女性の意見は少し厳しい内容になっています。
「デートが楽しくない(“相手によるが基本は楽しくない”の回答を含む)」
と回答した女性は
「33.3%」です。
これは、男性が「12.9%」だったのに対し約3倍の結果となり、女性のほうがお相手とのデートを楽しめていないということが分かりました。
ではなぜ楽しくないのでしょうか?
その理由は、「相手がイメージしていた人ではかった」が、3割以上と最も多い結果となりました。
女性はメイクやヘアセット等、男性に比べ1回のデートにおける準備時間が長く、要する労力も大きいです。
それだけ時間や労力をかけて準備したのにもかかわらず、実際にデートで会うと「イメージしていた人と違っていた」と感じる人が多いようです。
確かに、オンライン上と実際会ってみるのとではイメージ変わることはよくあると思いますが、なかなか「イメージにピッタリ」という人だったというのは少ないのかも知れませんね。
また、結婚相談所と違い、男性の目的が「婚活」なのか「恋愛」なのか「遊び」なのか、もう一つわからないケースも考えられます。
他にも「本当に独身なのか?」「断ればストーカーにならないか」など心配事もあるでしょう。
男性に比べて心配事が多い女性は素直にデートを楽しむことに対してハードルが高いのです。
課題は「出会いがない」から「出会ってから」にシフト
従来、婚活がなかなか上手くいかないという理由は、「出会いがない」というのが一番でした。
しかし、マッチングアプリなどの登場で、堅苦しくなく気軽に出会えるようになってきました。
今やアプリを使った「出会い」や「婚活」が当たり前になり、異性と出会う機会を誰でも手に入れることができる時代になっています。
さらにコロナ禍の影響で、オンライン婚活も定着し、家にいながらスマホやPCで好きな時間に好きなだけ「出会い」の機会を持てるようになりました。
従来なら「出会いが無い」とモヤモヤして月日だけが経っていく人も多かった思いますが、今では「出会いは確実にある」にシフトしています。
そこで悩みの種は今回の調査からわかるように
「出会いはあるが、相手と上手くいかない」
に変わってきているようです。
登録者に「男性が多い」という偏り
オンライン婚活の不満点がいくつか見えましたが、これらの原因の1つはマッチングアプリ登録者の「男女比」の問題です。
マッチングアプリ登録者を男女比でみると6:4ー7:3で男性の方が多く、女性がアプローチを受ける数が多いのです。
そのため、女性は男性からのアプローチを多く受け、その中から良い人を選び出すのに強いストレスがかかってしまいます。
また、男性にも数値で気になる点があります。
例えば生涯未婚率は男性は23%、女性は14%と開きがあります。
この開きは、男性のほうが「再婚」をする人が多いためです。
つまり、男性において、一度結婚をした人は、離婚後に再婚をする人・再婚のチャンスが巡って来る人が多い傾向にありますが、結婚しない人・なかなか結婚できない人は一度も結婚をしない・できていない状態にあることが分かります。
男性は、「メッセージ」やデートのスキルアップを、女性は異性とのコミュニケーションを心から楽しめるマインドセットが必要のようですね。
今や誰でも出会いの機会を持てるマッチングアプリやオンラインサービス。
独身婚活男女の「出会いがない」ということは解消できつつあるのですが、そこは男女のこと、オンラインでもリアルでもなかなか最後の成婚までいくには、まだまだ障壁をクリアしていかなくてはならないようですね。
文図引用:株式会社Parasol News Release